「絢音先輩、門限ってあります?」
「んー、ないよ。今、家1人やし」
「え!?」
郁弥君はめちゃくちゃ驚いていた。
「日曜日からお母さんが、単身赴任中の
お父さんのとこ行ってて1人やねん。
いろいろ朝が大変でさ、で、今日の午前の
授業ねてもうて(笑)」
「そうなんですか…。
あの、おれでよかったら、
今から帰って、手伝いとかしますよ?」
「そんなわけにはいかんわ。
郁弥君だってクラブで大変やし。」
郁弥君が一生懸命言うてくれてるのは
わかるけど、彼氏でもない男の子を家に
あげるのは、抵抗がある。
決して、郁弥君がそういう人ではない
とは、わかってるけど。
