「アイツ、変なんだよ。らしくない。お前と絡むようになってから。」
「は?」
向井は口をポカンと開けたままみつめる。
「どうなんだよ?本気なのか?」
「ったく……ダルい男ね。あたしが松田に本気?笑わせないでよ。あんな男ごめんだよ~。」
「お前…じゃあなんでベタベタばっかり?」
「決まってるじゃない。アイツ、あたしにだったら何でも買ってくれるよ。いい奴だよね。やっぱり~、男を利用してナンボ!」
鈴木は硬直した。表情すら変えない。
「だからバイバイ。今日も先約が入ってるからさ。」
そう言い残し向井はどこかへ消えた。
(スゲー腹黒なんだ~…)
清香も頭をかかえる。