その結果、中々見つける事が出来ず結局積んであった全てのダンボールを開ける事になった。

やっと、見つける事が出来た頃には春樹よりも先に秋が眠っていた。

熟睡している秋に布団と共に取り出したシーツをかけてやると、春樹は秋の隣に布団を敷き、眠りについた。



翌日、腹の辺りに違和感を感じた春樹は目を覚まして腹の辺りを見た。

すると、秋の腕が春樹の腹の上に乗っていた。

出来るだけ起こさないようにと、春樹がゆっくりと秋の腕を腹の上から下ろした。

春樹が再び眠ろうと目を閉じると、思いっきり秋の腕が春樹の腹の先程と同じ場所に飛んできた。

「ぅぐっ………」

「…………」

余りの衝撃に跳び起きた春樹は、隣で気持ち良さそうに寝息をたてている秋を睨んだ。

完全に目が覚めてしまった春樹は、布団から出るとリビングを探しに部屋を出た。

廊下に出ると、長いフローリングが奥まで続いていた。

奥の部屋が、リビングだろうと思い歩いてゆく。

ドアを開けると、予想どうりのリビングだった。

春樹は、渇いた喉を潤すため、蛇口を捻り出て来た水を手に掬い口に含んだ。

「………!?」

春樹は、秋の寝ている部屋に帰ろうとした時にカーテンから覗く光りに気付き何かと思いカーテンを開けた。

すると、中庭があって真っ正直に白い花を咲かせた大きな木が立っていた。

「わぁー、きれい」

春樹は、思わず声を上げた。窓を開けて中庭へと出てみれば、綺麗な花びらがヒラヒラと舞い降りて来た。

春樹は、落ちてきた花びらをひとひら手ですくった。

すると、花びらは春樹の手の中で光ったように見えた。

(誰?)

急に何処からともなく、聞こえてきた声に春樹ははっと目を見開いた。