「落ち着いて聞けって!
お前あの2人組の男に
レイプされたと思ってんねやろ?
…それがちゃうって言うてんねん」
違う?だってあんなことの後に
気を失って…それで何もなかった?
…本当に…?
私の中で、この男の言うことを
信じたくない自分と
ズタズタな心が少し
救われている自分がいた。
「まだ信じられへんって顔やな
お前目覚めたとき
腹とか腰とか痛かったか?
へんな違和感なかったか?」
「…なかった…」
そうだ。ただ頭が痛かっただけで
腰やお腹に痛みはなかった。
まして…私処女なのに…
痛くないはずないし…
「だからな、何もないねんって」
「…うそ」
「うそちゃうわ!分かったか?」
「わか…わかっ…た」
涙が目にあふれた。
簡単に信じてはいけない、けど
頬を伝うものはもう
留まるところを知らなかった。
これは安堵のあらわれだろうか。
「もう泣くな!俺が家まで送るから
帰って寝て今日のことは忘れろ
わかってると思うけど
誰にも言うなよ。親にもや」
もうこの男の言うことは
何一つ頭に入らなかった。
ただこくんと頷くことしか
できなかった。
涙が止まらなかった。
