「…落ち着いたか?」
コクン、と頷く。
落ち着いてきたのと同時に、
怒りがこみあげてきた。
((こいつがあたしの何もかもをめちゃくちゃにした…
それなのに…どうして今さら
助けるの…どうして…優しくするの…))
長い沈黙が続く中、
日向湊がそれを破った。
「…なんで死のうとした?」
………!!!
「それ…どういう意味…?」
ありえない…こいつ……
のうのうと……
怒りで頭がおかしくなりそう。
「いや…そのままの意味やけど」
「…どうして……?
どうしてわからないの…??
どうしてそんなことが言える?
お前、自分がやったことぐらい覚えてんだろ!!!!
自分がしたことがどれだけ卑劣で残酷なことかわからないの?!?!!
どれだけあたしをっ…っ
傷付けたか!!!!」
もう、怒りがおさまらない。
どうぶつけていいのかも
わからない。
「…は?いやちょっと待てや
…
…
あんたなあ、勘違いしてると思うで…?」
「なっ…なに言って「あー!!ちゃうねんちゃうねん!ちょっと聞け!な?
…落ち着いて聞けよ?」
鋭い目で睨み続けるあたしを、
日向湊が必死になだめる。
さっきとは立場が真逆…
今の日向湊には、
連れ去られた時の
冷たい目はどこにもない。
