柵を、越えた。






足が震える。




「…大丈夫…怖くない…
すぐ楽になれるんだから…」



















ふわっと、風にのった。




次の瞬間には、あたしは

渡り廊下に倒れていた。









「あぶなっ……!?!?お前はっ何してんねん!!!!」




死を免れた安心感…
楽になれなかった絶望感…


ただ、涙が溢れて。


我慢できなくて
大声をあげて泣いた。










そこには今1番見たくない顔。日向湊の顔が、あった。



でも、もうなにがなんだかわからなくなって、あたしはただ日向湊にしがみついて、泣き続けた。