「……っう…ん」
ひどい頭痛。
ここは…どこだろう。
あたしの部屋では…ないよね…
綺麗に片付いた部屋…
ふと、今自分がここにいる
経緯が…頭に浮かんだ。
「そうだ…あたし…日向湊を追ってて…なんか変なビルに連れてかれて…そこで……」
もう、完璧に思い出した。
「…そこで…あたし………っ」
怖い。
あたし、どうなっちゃったのかな…
もう…元に戻れないのかな…
「…っ…く……」
何も考えられない。
あたしの中に今あるのは…
どうしようもない
恐怖…
不安…
そして、決意した。
不安と恐怖の渦の中、
もうまともな判断が出来なくなっていた。
「…こんなの…生きてても…
辛いだけだよね…
苦しいだけだよね…」
そろりとベッドから
抜け出すと、
慎重に今いた部屋の
ドアを開けた。
ふらふらと階段を登る。
ここはマンションだったらしく、上はもう屋上だけだった。
「屋上…入れないの…?」
仕方なく階段をひとつ降り、
渡り廊下のようなところから
下を見下ろした。
「これで…死ねる…」
