「って事で屋上に行くよ!」
私の腕を引っ張る明衣。 

「でも朝礼が……」
声が震え段々小さくなった。 

「んな、朝礼なんぞどうでも良い!」
明衣が言う。 


私は、明衣に引っ張ってもらっている。 

あれ?

こういう風に、漣にも引っ張ってもらってた自分が浮かぶ。 

何かとやってもらってる事ばかりだ。 

勉強を頑張ってテスト出来たからって、社会に向けて自分を引っ張った事……あったっけ?