ガチャン ‥ ガチャン


ガチャガチャガチャ ‥
ドンドンドン ‥



俺の住むボロアパートの2階。



そんなに大きな音ではないが
無理矢理ドアを開けようと
している音。


あけろ、あけろとでも
言うようにドアを叩く音。

こんな時間だし、
おかしいなと思った。












あの時、本当に
起きててよかったと思う。

俺は寝たらなかなか
起きれないし、
君を他の人が助けに行っていたら
俺たちは隣に住んでいるのに
話すこともなかったと思うから。


不謹慎だけど、嬉しかった。

君を怖がらせた男は許せないけど、
心のどこかでは
きっかけをくれたことにだけ
感謝している自分もいる。



あの頃、俺の傍で
泣いてばっかだった君を
思い出しては、


少し


少しだけ



なんでか嬉しくなるんだ。