火曜日の正午に私は、あの喫茶店であの女探偵と会った。

「浮気・・・してますね。」

渡された数枚の写真には直之が女性とラブホテルに入っていく様子が写っていた。

しかも、時間を見れば勤務時間中である。

「浮気相手の女性は2人です。」

テーブルに置かれた写真を見て私は、大声を上げそうだった。

薫と小百合だった。

浮気というより浮気相手の意外な人物たちにショックを受けた。

私は、なにも知らず、知らされず、愛人2人と仕事をし、先輩だから仲良くしようとしていたのだ。

クラッと目眩がした。

「マンションの部屋をそれぞれ与えてます。」

写真を見て直之が買った部屋があると言っていたマンションに間違いない。

出入りする姿もよく写っていた。

私は、全部を受け取り、お礼も満足に言わず、フラフラと喫茶店を出た。