「これ以上、一緒にいられない。一緒にいる意味もないわ。」

私は、まくった長袖を戻しながら話を続ける。

「直之さんのはただの暴力よ。私の父のように愛があるわけじゃないわ。」

私は、アイスティーを飲む。

「弱い人間をいじめて自分は強いと信じ込まないといられないのよ。自分が弱いから。でも、自分が強くなるつもりなんてまったくないの。妻という守らないといけない人ができても。」

悠は、驚いた顔をする。

「・・・分かった。マンションから実家まででいい?」

「ありがとう!!悠!」

私は、テーブルの上の悠の片手を両手で握った。

「じゃ、火曜日の・・・18時に。」

頷いた悠が立ち上がってお店から出ていく。

少ししてから私もお店を出て事務所に戻る。