幸せの条件

　日曜日に私は、約束をし、悠とファミレスで会った。

｢あんまり元気そうじゃないわね。｣

コーヒーを１口飲んで悠が私の顔を見る。

｢とっても息苦しいのよ。直之さんとはほとんど１日一緒。お仕事もプライベートも。お互いになにをしてたかなんて見てるから話すこともほとんどなし。そもそも会話がないわ。所有しているマンションのことも話したがらないし。とにかく謎だらけで・・・。｣

｢ねぇ、離れてみたらどう？仕事を変えるとかさ。｣

｢無理よ。見て。｣

私は、直之専用の携帯電話を悠に渡す。

｢３時間おきに電話。１時間おきにメール。｣

｢出なくていいの？｣

悠は、私に直之専用の携帯電話を返す。

｢いいわよ。｣

私は、ショルダーバックに直之専用の携帯電話をしまった。

｢大丈夫？｣

｢なにが？｣

｢愛があるかってこと！｣

｢・・・愛はないかも。｣

｢じゃ、なんで結婚したの？｣

｢・・・分からない。｣