幸せの条件

 午後5時を過ぎると私は、マンションに帰る。

2時間後に直之が帰宅するまでに食事の用意をする。

それと並行して家政婦がしていった掃除などの家事のチェックをする。

以前、浴槽の水垢が落ちてないと激怒したことがあった。

その時の直之の変貌ぶりに私は、驚いた。

「・・・ただいま。」

玄関のドアが開く音と直之の声がした。

私は、慌てて玄関に向かう。

「お帰りなさい・・・。」

私は、差し出された鞄を受け取り、直之の書斎に運ぶ。

着替えをバスルームにいる直之に手渡し、キッチンに戻る。

軽くシャワーを浴びた直之がダイニングテーブルに座った。

私は、料理を運び、並べる。

「月曜日、事務所にお客様が来る。とても大事な方だ。失礼のないようにしてくれ。」

「・・・分かりました。」

2人は、無言で食事をはじめた。