1ヶ月後のクリスマスに私は、直之と入籍した。

なにもかも直之が1人で決め、1人で進めて私が口を挟む隙がなかった。

新婚生活も滑り出しは順調。

新居はマンション。

私の実家に近い場所という私がたった1つ許された結婚の条件である。

私は、念願が叶って寿退社。

今は、直之の事務所で簡単な仕事を手伝っている。

「家事と仕事を両立させている女性は素晴らしい!」と言う直之の言葉に私は、必死だった。

もちろん女性であることも忘れず、若く綺麗でいるため今まで通りにケアをする。

「さくらちゃんって本当にお綺麗よね。」

秘書でもある先輩の小百合がまじまじと私の顔を見る。

私は、ファイルで自分の顔を隠した。