幸せの条件

 正午過ぎに実家に着いてしまった。

立派な門をくぐり、手入れの行き届いた庭園を眺めながら玄関まで5分ほど砂利道を歩く。

「・・・本当、無駄に広い家だわ。」

「え?なに?」

「なんでもないわ。」

私は、小さくため息をつく。

姉が玄関の引き戸を開ける。