幸せの条件

 「ただのお嬢様じゃなかったんだな。」

友馬が私の頭を撫でた。

「友馬さん、私は幸せになれるかしら?」

「無理だな。」

「ひどい!幸せになれるよって言うところでしょ?」

「本当のことだろう。自分で自分を成長させようとしない奴は駄目になる。子どもじゃないって言うんだったら頑張りな。もう他人に全部、成長させてもらう歳は終わり。」

「私、自分磨きはしてるわ。」

「あんたの場合は外見重視だろ?エステだったり、メイクだったり、美容院だったり。内面重視にしろ。読書、カルチャースクール、通信教育・・・いろいろあるぞ。」

「それで幸せになれるの?」

「さあ。」

「あのね、私は絶対に幸せになる方法が知りたいの。」

友馬がニヤッと笑った。

「知ってるの?ねぇ、教えてよ。どうしたらいいの?どんなアイテムが必要なの?」

私は、友馬の肩を掴み、揺すった。