幸せの条件

 私は、朝から気持ちがすっきりしていなかった。

それでもコーデ、髪型、化粧は手を抜かない。

母が私を呼ぶ声が聞こえる。

「・・・いってきます。」

母に見送られ、待っていた友馬の車の助手席に乗った。

友馬は、私の母と少し話をしてから運転席に乗る。

車が動きだした。

「久し振りね。ちょっと痩せたんじゃないの?」

「役作りだ。食ってないわけじゃない。」

「それならいいわ。私と付き合ってて痩せたなんて困るもの。」

「あんたもな。俺が稼いでないように思われるからな。」

「あら、友馬さんが貧乏なのは事実でしょ?」

「今は貧乏でもこれからだ。」

「その歳でまだ夢みてるの?芸能人として成功する気でいるの?出来るの?」

「失礼な奴だなぁ。俺は死ぬまで夢を追い、青春する。」

「バカだわ。」

私は、ため息をつく。