幸せの条件

 姉の車で10分くらいの場所にあるレストランに入った。

「話ってなに?」

席に座ってメニューを見ながら私は、姉に話し掛ける。

しかし、姉は、なかなか話しはじめなかった。

私は、携帯電話をいじりながら待つ。

「お待たせしました。」

注文した料理が全部きてテーブルの上に並べられる。

店員が去るのを確認した姉がやっと口を開いた。

「さくら、お見合いをしない?」

私は、むせた。

急いで水を飲む。

「お父さんが私にって渡してきたけど見たらさくらの方がいいかなと思ったの。」

姉が写真と釣書を取り出し、私に手渡す。

「どうかな?」

「どうって言われても・・・。」

私は、真面目な顔をした男の写真と釣書を交互に眺める。

「三高エリートのうえにさくらの条件の安全、安心、安定をクリアしてる貴重な男性よ。」

「お姉ちゃん、通販じゃないんだからさ~。」

「ちゃんと見なさい。」

姉がテーブルに置いた釣書を私の手に再び握らせた。