幸せの条件

 凜が結婚式を挙げたのは7月に入ってすぐだった。

レストランウェディングというので本当に本当に素敵だった。

3ヶ月後には拓也が故郷に帰るので一緒にいくらしい。

結婚式のあったレストランから私は、残っていた最後のグループに紛れて出た。

意外な人物が私を待っていた。

「・・・お姉ちゃん?!」

私は、声が裏返ってしまった。

「どうしたの?」

「さくらに話したいことがあったの。」

「話?」

「うん。2人だけで。いいかな?」

姉が自分の車を指差す。