あたしの右肩と、あなたの左肩がくっついていて。


あなたは水割り、あたしは得意の緑茶割り。


知らない内に時間が過ぎた。


「ゴメン将誠…そろそろ帰らないと…」

「そか。…分かった」


あたしが帰る頃、店の中は満員だったけど。


まるで二人しかいないみたいに、あたしは惹かれた。


昼間は大学生で、サッカーをしてる。


地元は愛知県で、こっちで一人暮らしをしてる。


「またな」


店の外まで送ってくれた将誠は、あたしの髪を撫でた。


「気をつけて帰れよ、酔っ払い」


頷いて背を向けた。


帰りのタクシーの中で、気付いたけれど…


連絡先を聞くのを忘れてた。