マスタード



そう言い切る笹原を前に、あたしは考える。
こいつは、あたしの敵だろうか、
きっと救世主じゃないでしょ。


「…あ、きょーへー。…と七星来てたんだ」


後ろから声がして振り向くと、大地がいた。
なんか久しぶりに見た気分。


『、だいち』


自分でも思ったよりか弱い声だったからびっくりした。
バカバカ、弱気になるな。飲み込まれるな


「ん?お取り込み中だった?悪い、ちょっと七星借りる」


「全然、ええで、楽屋さき行ってんで。」


そういって笹原はあたしの横を通って楽屋に向かって行った。
あたしは少し俯いて目を合わせなかった。

…きっとあいつも。