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うぐいすの鳴き声が、春の訪れを告げる。



「兄上様、もうすぐ春が訪れますね」



ニコッと微笑み、静かにそう言う。桜の蕾を眺め、そっと触れる。


その声の主は、とても美しい女性だった。長い黒髪に、白い肌が印象的な柔らかい雰囲気を持った美女。



その笑顔はどこか寂しく、儚い。まるで、春に咲き、綺麗に散っていく桜のような、美しさと儚さを持つ女性。



「……そうであるな」


‘兄上様’と呼ばれた男は、桜の蕾と女性を見つめ、淡々と呟く。