戦国に咲く紅葉


「あき!」


もう一度、強く名前を呼ばれた。


その瞬間、視界がグラつく。


目の前のもの全てが、歪んで見える。


「あき!!」


我慢ができなくなって、そのまま地面へへたりこむ。


頭が痛くて、胸の内が燃えるように熱い。


この手の中にある、紅葉 のように。


立っていることも、息をすることさえも苦しい。