『そんなことをしたら、彼が悲しむよ。』



サーファーは言った。



『とりあえず、温かいものを食べよう。』



サーファーは海沿いのカフェに



彼女を連れて行った。



〔オーシャン〕



店の名前だ。



白とブルーで彩られた



店内は



彼女の疲れた心を



癒してくれた。



彼女はカフェオレをのみながら、


話しはじめた。



彼とは大学のサークルで出会い



恋をして、



楽しい時間を過ごし、



この秋



結婚をする予定だったこと。



そして…



お腹の中に



新しい命があること。



唇をふるわせながら、



それでもきれいな声で



語った。