『そこは危ないよ』



「放っておいてください」



サーファーは黙って、彼女の手を握り



海岸へ連れ戻した。



季節は…秋。



冷たい風が吹き初めていた。



「止めないでください。」



『わかった。でもよかったら話してごらんよ。』



サーファーは優しい眼差しで語り掛けた。



彼女は、婚約者が事故で死んでしまったこと。



悲しくて生きる気力もないこと。


自分も彼の下へ行こうとしていることを、



泣きながら




話した。