『そうしてもらえたら嬉しいよ。


こいつ以外で人を撮ったのは、君が初めてだから。』



パパの記憶では



そうなのかも しれない。



でも…



かいとのママを撮らないわけがない。


『パパは忘れちゃっているんだ』


かいとは淋しそうにつぶやいた。


パパとママはこの海で出会い



愛を育んで かいとが生まれた。



パパはママが愛したこの海が、



きっと大好きで、



写真に残し続けているんだね。



私がその一枚に写ったのは、



運命だったのかな。



かいとのママが



巡り合わせてくれたのかな。



そう信じたい。