そう思った。



なぜだろう。



いままでこんなに



人を恋しく思ったことは



なかった。



目を閉じると、



かいとの笑顔だけが、



浮かんできた。




何時間たっただろう。



学生たちが授業を終え、



ざわざわと出てきた。



私をもの珍しげに見ていく。



まぁ確かにこの辺の人じゃないけど…



そんなに見なくてもねぇ。



『ゆい…』



『なにかあったの?』



その優しい問いかけに、



抑えていたものが、崩れた。



涙が止まらなかった。



友達からの冷やかしの言葉も
気にせず、




私の肩を抱きしめ、



『家へ帰ろう』と言った。