『一目ぼれだったから』




「後ろ姿に?」



『そうかな…』



そう言って、



かいとは



微笑んだ。



『だから、すぐにわかったよ。』



「恥ずかしいな…」



すべて見透かされた気がした。



私がこの海に来た



理由も



彼とのあの一夜も



かいとが見ていた…



そんな気がした。




その夜



私は



波の音を子守唄に



かいとの温もりに



包まれて



深い眠りについた。