「良いって。」



「…お姉さん、ホストとか興味ある?」



え?コイツホストなの?!


なら…何でジャージなのよ?



笑っちゃう。


こんなホストも居るんだ。



「…ぶっ…あんたホスト?」


「せやで!ホスト。こんな格好してても一応ホストやってんねん」


「……しかも関西人?」


「違うだべよ。」


「…あはは……何それ。さっきまでめちゃくちゃ関西弁だったじゃん!」




「…あっホンマ?(笑)俺嘘とか下手くそやさかい、あかんなぁ…」

舌を出して笑っている姿に、何故だかドキッとした。




「…ごめんけどホスト興味ない」


「ホンマかぁ。行った事もないん?」


「…一回ある」


「あるんか。楽しめたん?」



いつの間にかスタスタ進んで居たはずの足が止まっていて、目の前にはジャージ姿の男の子。




…あたし何普通に話してんだろ?


「…とにかく!ホストは興味ないから。他の子あたって」


「まぁまぁ。落ち着いてや!なら別に店来いとか言わへんし、連絡先だけでも教えてくれへん?」


「…ホストは皆そう言う。」


キャッチには慣れていた。



皆そうやって連絡先を聞き出そうとする。



コイツも同じだろう。





「俺他のホストみたいに完璧ちゃうから。…友達探ししてんねん!(笑)」



「……はぁ?」



「…こっち来たばっかやねん。せやから友達とか居れへんし…探してたらたまたま君に出会った…みたいな(笑)」


「…ホストに興味ない?って言って来たのはあんただよ(笑)」



自然と笑いながら話している自分が居た。