「…真紘」 「ん?」 「ごめんね、私…契約恋愛もう出来ない」 「どうして?」 真紘は不思議そうに聞いてくる。 もうお金で恋人なんて可笑しいよ。 私は私だけを愛してくれる人がいい。 お金を払うんじゃなくて、ちゃんとした恋。 出来ればそれを、真紘としたいんだ。 だから…――― 「真紘が好きだから。私は真紘と契約恋愛は出来ないよ」 「……」 「真紘とは契約じゃなくて、ちゃんと付き合いたい」 「……」 「今日はそれを言いたかったの」 私は真紘の頬に手をあてて、顔を近づける。