大学二年の春。

僕はバイトに
明け暮れてた。

ただなんとなく
過ぎてく毎日。

でもそれは
嫌じゃなかった。

笑って過ごせる
友達がいたから。



でも五月に入る頃に
小さな事が起きた。


バイトで初めて
一人の女の子と
話したんだ。

それが彼女との始まりだ。

彼女はバイトで会う度
やたらと僕を
からかってきた。
頼んでもいないのに…







でもそれが楽しかった。



毎日の生活に
笑顔が増えた…気がした。

友達にも言われて
少し恥ずかしかった


6月に入るともう家に
遊びに行くように
なっていた。

学校に通うため
実家から離れて
一人暮らしを
始めたらしい

だからお互いに
ご飯作ったりしていた。

二人とも料理が
上手かったので
料理の話でよく
盛り上がった。

ある日ふと


「どっちが嫁がわからんね」


って言われた時
ドキッとした。

その時に
「僕はこの子を
どう想ってるんだろう?」


この言葉が頭を
グルグル回った。



毎日。四六時中。



ただその時は本当に、
何もわからなかったんだ。



本当に何も。