否定するのは簡単だ。

だっていくらでも屁理屈は叩けるから。自分を守れるから。



本当は憧れていたくせに――


そう、青春時代を“高校生らしく”過ごすには勇気が必要で―――


不良になるのも、ヤンキーになるのも、チャラ男に女が憧れるのは、

きっと………。


勇気なんか人生で一度たりとも使ったことがない。

それは悲しいから――









「好きです」



秘書の女に言ってみた。

まだ20歳の、

短大卒の、

若い――






「…ごめん、気持ち悪いおじさんだね」



馬鹿みたいだ。

何を言っているんだか。
まるでガキだ。

フラれるのが怖くて、すぐに本音を隠す。