私、決めました。

母をずっと南ちゃんと呼びます。


結婚式の手紙の時に“お母さん”と呼ぼうと思います。


だから私は言いました。

「南ちゃん…、綺麗だよ」


綺麗だ。
白髪が明るい色になった髪の、酒で焼けた声の、

――母は綺麗。


大好きだった母は、いつも側に居たのに。



母は言いました。

「あんたが友達に自慢したくなるように綺麗で居るからね」


ツンとした突き放す言い方はサバサバしている。

媚びない母は魅力的です。


母親らしい台詞を、どうして私は言われるまで気付かなかったのでしょう。