普通は泣くのでしょう、私は笑っていました。


涙を流しながら笑いました。



お説教なんて聞かなくてもね、分かったんです。


私って…すごく母に必要な存在なんだって。



予想外の帰宅は

    ――母親の勘。



母親の、勘。
南ちゃんの母親の勘。




「…いつまでも女で居てね」

私の発言に意味が分からないといった顔の母は、


“お母さん”だった。



ほうれい線が目立つ、目尻にコジワのある、唇に縦にヒビが入っている、

手がカサカサしたお母さんでした。


南ちゃんは南ちゃんなのに、南ちゃんではなかったんです。