完◆ ぐだぐだ


「真面目な話。俺、結構考えたんだ」

「何を?携帯電話とボクっていう意義を?え、うけるー。ネタ!?」

「いやいや、陽菜、聞けって」

「えぇーー道徳?!なんか笑けるんですけ・・・」

アハハと笑い飛ばすつもりだった陽菜は思わず笑い声を飲み込む。

俺が意外と真剣な顔をしていたからかもしれない。


彼女歴の勘で分かったのだろう、“本気”なのだと。


「じゃあ真剣に喋り場してください」と、少しだけ皮肉を込めて言う陽菜。

皮肉にも綺麗だと思う。


黒色の中に色があることを教えてくれる月明かりの下、

ポケットから携帯電話を取り出すと、俺は話し始めた―――