並んで歩く恵理奈の耳元に
顔を寄せ。

「慶吾の事あんま怒んなよ?
あれぐらいの頃は頭より先に体が反応しちまうんだよ」

話し掛ける。

「人前でなんて最低です!」

「人前とかすっ飛んじまうぐらい看取れてたんじゃねぇの?」

口籠る恵理奈の頭を
ポンポンと軽く叩く。

「まあ…慶吾よりも恵理奈の方が恥ずかしかったんだよな?」

俯いて黙る恵理奈に
皇紀は付け足す。

「グラビアってのは軽い気持ちで出来るもんじゃねぇぞ?
ニチカにメイクしてもらって…、少しは別人に為りきれたのか?」

見上げだ先で待ち構える
皇紀の目が想像以上に真剣で
恵理奈は息を飲み込んだ。