衣装を握り締めたまま
固まる恵理奈を他所に

「慶吾!
ニチカの男気に負けたか?
お前とは正反対だからな」

慶吾の隣に屈み込む。

「何で秘密をバラしたんだよ…。俺達の秘密なのに…」

皇紀は背を抱く様に腕を回す。

「慶吾…ニチカは信用出来る。
間違いねぇ俺が保証する!
何よりニチカ無しに俺達の‘S’は完成しねぇんだよ」

膝に顔を埋めた慶吾は

「ついこの前まで俺の事は仲間に入れてくれなかったじゃん…」

ボソボソと呟く。

「お前はまだ未成年だからだろ。慶吾を本当の弟だと思ってるから捲き込みたくねぇんだよ」

「俺は…仲間になりたい」


回した手を外す際
背中を叩く。

「嗚呼、お前はもう仲間だよ!
もう1人の仲間のデビュー戦を
一緒に成功させてやろうぜ!」

立ち上がった。