頭からつま先までを流し見て。

「偏見は無いが俺は正真正銘で、女にしか興味ない!」

断言する。

「俺も同じだよ…」

ニチカも軽く息を吐く。

「始めても良いな」

誰の同意を得る訳でもなく
メイクボックスを鏡台に広げる。

「仕事柄…勘違いは慣れてる」

ニチカの前に恵理奈が座る。

「女優やモデルと出会えるから、ニチカさんにとっては適職?」

恵理奈の顔に触れるニチカの手が

「否、外側だけの女に興味ない」

リズミカルに動く。

「ニチカさんのタイプって?」

「そうだな…飾らない女」

「飾らない女?」

恵理奈の頭に?が浮かぶのと

「おい!必要ねぇ事話してんな」

慶吾が肩を掴むのは略同時で。

「煩い男だな…」

ニチカが息を吐き出す。