慶吾は勝ち誇った顔で
ニチカに詰め寄る。

「墓穴掘ったな!‘S’の正体は誰にも秘密なんだよ‘S’の素顔をあんたが知ってる筈ねぇ!」

ニチカも動じる事なく
慶吾を見返す。

「どういった間柄かは知らないが‘S’からあんたに伝言だ。
『タダで帰ってくるなよ。
サボったなりの収穫楽しみだ』…

ニチカの台詞も待たず
慶吾の顔は血の気が引いていく。

「ヤバい不味いぞ…。
予定通り事が運んでない事に相当腹立ててるうえ唯単にトラブルに巻き込まれただけだなんて知られたら何言われるか解ったもんじゃない…」

「それと…俺は女が好きだ…」

ニチカの宣言に慶吾が止まる。

「何の告白だよ…」

「知らん…言えって言われてる」