無言で慶吾の背中を押し
通路へ追いやる。

「恵理奈!
なん何だよ昨日から!
そんなに挑発したいのか?」

扉を閉めさせず
逆に恵理奈の手首を掴む。

「したいよ!
他の子なんて見て欲しくない!
私だけ見てて欲しいの!」

涙目で睨み付ける恵理奈に
一瞬目を丸くし、

「何?嫉妬してたの?
バカだな恵理奈は…。
ったくしょうがないヤツ」

にやけ顔で
数着の衣装を手に取る。

「仕方ないなあ…待ってろよ!
恵理奈の為だけに作ってやる」

それだけ言って
黙々と手を動かし始めた。