「…何?…同情…?」

首を横に振り囁く。

「…慶吾君のお兄さん…達の話?焦らなくても良いと思うな…」

重なった手が解かれ
慶吾の頬の上で再び重なる。

「慰めてくれてるの?」

静かに首を横に振り囁く。

「慶吾君は慶吾君にしか出来ない事があると思うから…」

「例えば…どんな?」

慶吾の片手が
恵理奈の頬に添えられる。

「ん、例えば…そこに居るだけで周りを明るくしてくれたり…。
周りの気持ちを読んでくれたり。周りを笑顔に変えてくれたり…」

頬から後頭部に移動させ

「…周りを?」

引き寄せ際耳元で囁く。

「…恵理奈を…だろ?」