画面を睨み付け止まった慶吾。

「あの…慶…吾君も…
‘S’好きなの?」

「あっ?…もっ?」

「えっと…世間的に?
私がとかじゃなくて…」

深く息を吐き出し。

「…こんなの…
全然かっこよくなんかねぇ…。
モデルやってるよりも…
スタントやってるよりも…
皆一緒に居るときのが…。
絶対…良いに決まってる」

瞳を伏せる。

「…慶吾君?」

「…皆に比べれば…
俺はまだガキで追い付けなくて…それは仕方ない…解ってるんだ。特技があるって訳じゃねぇし…。けど…指食わえて皆がしてんの…ただ待つなんて出来ねぇよ…」

その頬に恵理奈は
そっと手を添えた。