一台のパソコンを立ち上げる。

「嘉瀬君…どうして…
更衣室に入ったりしたの?」

震える声で先を続ける。

「もしかして…覗き…?」

インターネットのトップ画面。

「その気は無いって言ってたよ」

検索キーワードを入力。

「それって…私には…だったり…するのかな?」

【慶吾】

「…心臓うるさい…」

いつの間にか背後に立った慶吾は

「呼びたきゃ…呼べば?」

映し出す文字を見ている。

「良いんじゃない?
…恵理奈が泣くから…」

「えっと…」

「さっきの質問の答え…」

文字の配列を消し
恵理奈の手に重ねて
文字を紡ぐ。

【e…s…】

その瞬間画面を覆い尽くす
【‘S’】