誰も居ないパソコン教室の片隅。

「嘉瀬君…怒ってるの?」

「別に…」

「ごめんなさい…
授業サボらせちゃったね」

胡座をかく慶吾の前に
膝を抱え踞る。

「出席数は取ってある…」

「でも…
事情聞いたばっかりなのに」

「事情って…俺の…現状?」

首を微かに捻り。

「うん」僅かに頷く。

「うんって…分かんねぇで適当に返事すんなよな…」

溜め息と共に吐き捨てる。

「他の男にもかよ…」

ぼそっと呟いた声は届かず。

「えっ?」

顔を寄せてくる。

「…近付くな」

その額に手を当て
押し戻す。