ニチカの嫌味にもめげずに得意気に詰め寄ってきた。

「ある企業が芸能事務所を設立しその足掛けとしてグラビアモデルを売出すみたいですね」

内輪話に留める為か単にニチカに寄りたいのか更に顔を近付ける。

「その企業はどうもあのIT企業らしい…って話ですよ?」

真後ろで身動きの取れない恵理奈はニチカの背に張り付く様にして身を固くしている。

恵理奈の存在感が薄いのか…、
ニチカしか目に入らないのか。

「ニチカさんが担当をされてるんじゃないのなら関係ないでしょうけど他のモデルから事務所ぐるみで潰されるんじゃないかと出版業界では今の内に取り合いですよ」

或いは無関係を決めつけたのか、ニチカに迫る勢いだ。