SHINING

相手が近付くのに合わせニチカが遮る様に動き恵理奈を背に隠す。

その行動から恵理奈自体を見られたくないのだと悟った。

鼻孔を微かに女物の香水が擽る。

｢いつもご多忙の御様子でお逢いになれなくて残念でしたよ。
今日はどちらのご用命かしら？｣

鼻にかかる甘ったるい声と話し方からその女性の感情が読み解け。

｢最近は‘Ｓ’専属ですので…｣

ニチカに食い気味に探り入れる。

｢あら‘Ｓ’がＤスタなんて事はないでしょ？どちらの出版社さんかしら？｣

トーンが下がった。

顔が見えていれば目が光った…。という表現も付け加わるかもなと恵理奈は暢気に思っていた。