挨拶を交わす人達に軽く答えては短絡的に会話し先を急ぐニチカ。

「実力がなければ直ぐに引き摺り蹴落とされる世界だ」

見上げる恵理奈の視線に気付き、ニチカも見下ろす。

「気を使わせてますか?」

自分と居るせいで仕事仲間と会話が出来ないのだろうと思い恵理奈がニチカに尋ねた。

「お邪魔な様でしたら私は離れてますから言ってくださいね?」

向き合うニチカの背後から又も、

「ニチカさんお久し振りです!」

無遠慮な声が掛かった。

同時に振り向いた恵理奈には目も暮れず近付く人にニチカは僅かに顔を曇らせた。