昨夜もパソコンの画面を睨み付けキーボードを指先で弾き続けた。

もう何日目かの徹夜作業に慶吾の眼は渇きしばしばと水分を求めて瞬きを繰り返す。

何度目かの生欠伸を噛み締めた頃ドキドキと急速に速くなる鼓動を耳にして自然に頬が緩む。

痛い程の視線と誤魔化しきれない心拍数に慶吾は満足気に歩を進め疲れた身体が軽くなる錯覚さえも覚えていた。

ただ、
あの日以来近付かない恵理奈に
多少苛立ちを感じてはいるのだがそれを気にしている様に思われたくない為に慶吾も距離を保ったままにしていた。