二人連なって歩く後ろを
慶吾は俯いたまま続き、
恵理奈もその後を追って行く。

「連れてきたぜ直海!」

社長室に入るなり相手を確認する前に皇紀がニチカを押し出す。

「えっ誰なの?」

不思議そうに尋ねてきたのは
秀磨だった。

「お客さん?初めまして」

にこやかな笑顔で席を立つ綴喜に

「初めまして…八沢二千翔です」

差し出された手を握り
ニチカが答える。

「ヤザワって矢沢永吉と同じ?」

秀磨も興味津々といった様子で
近付いていく。

「自分は…八つの沢で八沢」

「へぇ〜珍しいね」

ニチカに食い込み気味に
秀磨がニカッと笑った。