「今日だってそうだろ」

「え……」

「食堂で会っただろ。無視しやがって」


気づいてたんだ……。

こそこそと隠れていたつもりだったのに、ちゃんとあたしだって分かってくれてた。

たったそれだけのことが嬉しくて、うっかり顔がゆるみそうになる。


だけど、バレてしまわないようにキュッと口を結んだ。


「さっきも。お前、あのバーにいたよな?」


ビックリして振り向くと、思ったより翔太との距離が近くて、もう少しでキスしちゃいそうになって。


「きゃっ」


離れようとしたのに、逆に強く腕を引かれて……


「……んッ」


あの夜以来の、キスをした。


ただ一つ違うのは、キスの種類。

あの時は“幼なじみ”としたキスだけど、今は“好きな人”としているってこと。


気持ちが違うだけでこんなにも違うんだ……。


キスが……すっごく甘い。


“ハニーキス”

そう、この言葉が一番しっくりくる。